
正式には少々早めですが年の瀬ということもありご報告させていただきます、「まほろば」代表七雲結人です。
画像はこの三周年記事を書くにあたり、イラスト担当の黒星太郎氏よりいただいた物です。
・活動三周年
2011年の冬コミを最初と定めていますので、今年で当初は個人サークルとして立ち上げ現在の三人体制へと移行し三年目となります。
様々な事がありましたが、先ずは最初の一冊となった「東方妖櫻恋」を発行するまでに関わっていただいた方々へ感謝を述べさせていただきたいと思います。
表紙・その他と多数のご助力をいただいたうえで現在のサークル「まほろば」が存在します。
果たしてお返しをできているかはわかりませんが、今後も忘れることなく活動してゆきたいと思います。
また、判型を変更した「永遠迷宮」までは表紙を外注していましたがこれにつきましても感謝しなければなりません。
それぞれにご事情があるなかでお引き受けをいただき誠にありがとうございました。
なかでも、「双つ桜」・「永遠迷宮」と移行する二冊を連続で緒経緯ありながら担当いただきました「るながで」のつきかえ氏には大変感謝をしております。
まだ製作にあたって未熟な部分もありご迷惑をかけてしまった部分もありますが、これも現在へ繋がるものとして大事にしてゆきたいと思います。
さて現在の三人体制につきまして。
校正・その他を担当していただいております皆原千尋氏とは兼ねてからの友人でありましたが、イラスト担当の黒星太郎氏とはまず偶然と言って良い出会いでありました。
mixiのとあるコミュニティの掲示板にてお仲間募集という形でコメントを残していたところに反応をいただき、ここにもまた緒経緯ありまして現在に至ります。
勿論単に専属というものではなく趣味を共有し、共同して一冊の本へと形にしていくための大切な「仲間」であります。
ここについてはそれぞれに思うような事があると思いますので敢えて深くは語らないこととします。
そして根本たる物語を創る自分でありますが、やはり自分ではどう評すべきなのかは分かりません。
過去作から見返していけば多少の未熟さは抜けたようにも思えますが果たして本当にそうなのかはやはり主観では見えないものでしょう。
現在も手探りであり、様々な評価を元にさらなる進歩を目指し書き続けています。
思うところは多いですがやはり根底にあるものは東方projectという作品が好きであり、同時に創作することが楽しい、と。
各種イベントを通して知り合い、現在もお付き合いいただいている他サークルの皆様にもまた感謝しこれからもお会いできることを期待すると同時にこれからのご活躍をお祈り致します。
そして何より自身の作品をお手にとっていただいた沢山の方々へ、果たしてご期待に沿えるものであったかどうかは与り知らぬ所ですが、少しでも面白い・良いと思っていただけたのであればそれが何よりです。
長々と書かせていただきましたが、まだまだ言葉にしきれない事はあります。
いずれにせよ節目を迎えるにあたり一言を残すなら「感謝」と。
如何せん堅くなってしまいましたが、こうして形にしておくことが大事と思った故です。
冬コミへ参加する方々のご無事を、そして来年も皆様の東方ライフが実り多きものとなるよう祈り締めとさせていただきます。
これからも「まほろば」、そしてメンバー一同をどうかよろしくお願い致します。
七雲結人
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秋季例大祭よりすっかり時間が過ぎてしまいました、まほろば代表七雲結人です。
・秋季例大祭報告
という訳にて、11月24日に開催された秋季例大祭へ参加をしてきました。
新刊は用意が間に合いませんでしたが、既刊の頒布及び次作告知ペーパーの配布のみでも多数の方々にお立ち寄りいただけました。
内容としては、概ね平均といったところで基本の目標としている次回イベント参加費の回収は越えました。
既刊に関しましては、増版をかけた「永遠迷宮」・「紅霧境奇譚」共さらに沢山の方のお手に取っていただけました。
今後増版の予定は現状ありませんが、状況次第では何かしらの形式変更等を行うかもしれません。
とにもかくにも、お立ち寄りいただいた方々へ感謝を述べさせていただきます。
・次作に関して
ペーパー配布にて先行告知の形となりましたが、一部決定事項を。
タイトル:Destined Marionette-vision of Alice-
内容:秘封倶楽部二次創作小説

となっております。
申し込み状況の報告も兼ねまして、次回例大祭を目標としております。
現在鋭意製作進行中、ご期待に少しでも応えられるようなものにしたいとサークルメンバー一同にて頑張らせていただきます。
以下、裏面にて掲載しましたSSも公開致します。
~Call from the abyss~
「それでね……」
講義が早く終わった昼下がり、いつもの喫茶店にてメリーと他愛もない雑談に花を咲かせていた。
誘ったのは私からなので最初は「またか」とでも言いたそうな顔をされたが、今回は本当にただなんでもない話をしたいだけだった。
まあ自業自得という言葉の意味を再認識させられるようなものであるのは自覚しているつもりではいる。
なんとか理解はしてもらえたようで、こうしてコーヒーを片手に有意義なのかそうでもないのかという時間を過ごしていた。
「ねえ蓮子」
「ん? 何か?」
殆ど私から話を振っていたが、今度はメリーのほうからなにか話題のようなものがあるようだ。
「聞いてみたいのだけど、深いところを覗き込んだときに其処へと自分が引きずりこまれていくような、そんな感覚を覚えたことはない?」
「それは……」
確かにそういう感覚のような何かを覚えたことはあるような気はするが、いざ言葉にするとなると案外難しい。
「例えてみるならそうね……このコーヒーカップなんてものじゃなく、底なしの深い井戸を覗き込んだときを想像すると?」
「ああ、それなら分かるかも。そんなつもりは無くても、自然にどこまでも落ちていくような感覚ってこと?」
これも表現はし難いが、言い換えるのなら何者かに手を引っ張られるとでも言おうか。
「まあ遠からずね。深淵を自分から覗きこむという行為の反対には、深淵がこっちを引き入れようとする行為が存在するかもしれない。という仮定みたいなものなんだけどね」
真意は図り難いが、オカルトの方向からの心理分析のようなものか。
「うーん……で、それが何なの?」
「ふと思っただけのことよ。それは私達が行う活動……常識の向こうの非常識、現実の裏側の幻想を観測し得るが故にだけれども、これもまた同じようなものじゃないかなってね」
そこで少しだけ、おぼろげにメリーが何を言いたいのかがわかったような気がした。
「つまり私達は自分から幻想を見に行っているつもりでも、もしかしたら幻想のほうが私達を引きずりこんでいるのかもしれないということ」
「……」
確かに、数度は命にかかわる寸前という経験はあるので改めて言われると考えこまざるを得ない。
「私達の本能へと、深淵に潜むものが投げかける呼び声……その声の主とはいったい何なのかしらね」
苦笑のような、それとも微笑のようとも取れるメリーの複雑な表情。
ふと目についたコーヒーカップの中の黒い水面。
メリーの言う深淵というものには到底及ばないのだろうが、それがどこか酷く恐ろしいものに見えた。
「見えぬものの声に耳を傾けてよいものなのか……それとも逃げることはできないのか……目を閉じ、耳を塞ぐほどにそれははっきりと聞こえてくる、そんな気がするわ」
以上のように、次回例大祭へと向け製作が進んでいます。
・秋季例大祭報告
という訳にて、11月24日に開催された秋季例大祭へ参加をしてきました。
新刊は用意が間に合いませんでしたが、既刊の頒布及び次作告知ペーパーの配布のみでも多数の方々にお立ち寄りいただけました。
内容としては、概ね平均といったところで基本の目標としている次回イベント参加費の回収は越えました。
既刊に関しましては、増版をかけた「永遠迷宮」・「紅霧境奇譚」共さらに沢山の方のお手に取っていただけました。
今後増版の予定は現状ありませんが、状況次第では何かしらの形式変更等を行うかもしれません。
とにもかくにも、お立ち寄りいただいた方々へ感謝を述べさせていただきます。
・次作に関して
ペーパー配布にて先行告知の形となりましたが、一部決定事項を。
タイトル:Destined Marionette-vision of Alice-
内容:秘封倶楽部二次創作小説

となっております。
申し込み状況の報告も兼ねまして、次回例大祭を目標としております。
現在鋭意製作進行中、ご期待に少しでも応えられるようなものにしたいとサークルメンバー一同にて頑張らせていただきます。
以下、裏面にて掲載しましたSSも公開致します。
~Call from the abyss~
「それでね……」
講義が早く終わった昼下がり、いつもの喫茶店にてメリーと他愛もない雑談に花を咲かせていた。
誘ったのは私からなので最初は「またか」とでも言いたそうな顔をされたが、今回は本当にただなんでもない話をしたいだけだった。
まあ自業自得という言葉の意味を再認識させられるようなものであるのは自覚しているつもりではいる。
なんとか理解はしてもらえたようで、こうしてコーヒーを片手に有意義なのかそうでもないのかという時間を過ごしていた。
「ねえ蓮子」
「ん? 何か?」
殆ど私から話を振っていたが、今度はメリーのほうからなにか話題のようなものがあるようだ。
「聞いてみたいのだけど、深いところを覗き込んだときに其処へと自分が引きずりこまれていくような、そんな感覚を覚えたことはない?」
「それは……」
確かにそういう感覚のような何かを覚えたことはあるような気はするが、いざ言葉にするとなると案外難しい。
「例えてみるならそうね……このコーヒーカップなんてものじゃなく、底なしの深い井戸を覗き込んだときを想像すると?」
「ああ、それなら分かるかも。そんなつもりは無くても、自然にどこまでも落ちていくような感覚ってこと?」
これも表現はし難いが、言い換えるのなら何者かに手を引っ張られるとでも言おうか。
「まあ遠からずね。深淵を自分から覗きこむという行為の反対には、深淵がこっちを引き入れようとする行為が存在するかもしれない。という仮定みたいなものなんだけどね」
真意は図り難いが、オカルトの方向からの心理分析のようなものか。
「うーん……で、それが何なの?」
「ふと思っただけのことよ。それは私達が行う活動……常識の向こうの非常識、現実の裏側の幻想を観測し得るが故にだけれども、これもまた同じようなものじゃないかなってね」
そこで少しだけ、おぼろげにメリーが何を言いたいのかがわかったような気がした。
「つまり私達は自分から幻想を見に行っているつもりでも、もしかしたら幻想のほうが私達を引きずりこんでいるのかもしれないということ」
「……」
確かに、数度は命にかかわる寸前という経験はあるので改めて言われると考えこまざるを得ない。
「私達の本能へと、深淵に潜むものが投げかける呼び声……その声の主とはいったい何なのかしらね」
苦笑のような、それとも微笑のようとも取れるメリーの複雑な表情。
ふと目についたコーヒーカップの中の黒い水面。
メリーの言う深淵というものには到底及ばないのだろうが、それがどこか酷く恐ろしいものに見えた。
「見えぬものの声に耳を傾けてよいものなのか……それとも逃げることはできないのか……目を閉じ、耳を塞ぐほどにそれははっきりと聞こえてくる、そんな気がするわ」
以上のように、次回例大祭へと向け製作が進んでいます。
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